高血圧症の症状と予防方法について

高血圧症の症状と予防方法について

高血圧症は正常な血圧の範囲をより高い血圧を指します。

具体的には次の通りです。

  • 収縮期血圧140mmHg以上
  • 拡張期血圧が90mmHg以上

ちなみに、収縮期血圧(いわゆる上の血圧)とは、心臓が全身へ血圧を送り出すためにしぼんだ時の血圧です。逆に拡張期血圧(いわゆる下の血圧)は、心臓へ血液を集めるために心臓が拡がった状態のときの血圧です。

高血圧には段階がありますが、今回は単に上記の数値を超えている状態を高血圧として紹介していきます。

高血圧症は世界的な問題になっている

高血圧症は、世界でおよそ20〜24%の人々がかかっている病気です。

しかも、WHOによると高血圧症からの合併症によって毎年940万もの人々が命を落としています。

また、日本においては厚生労働省調査によると、高血圧症を患う人の数は若干減少傾向にあるものの2016年時点で男性35%、女性25%となっています。

このデータからわかるように高血圧症は誰もが患う可能性のある私たちにとって非常に身近な病気なのです。

身近すぎて高血圧症が病気であることを忘れてしまいがちですが、この病気の怖さは自覚症状がなく長年かけてジワジワと進行する点です。

数年間何も症状が出ずに、ある日突然合併症を患ってしまうことがあります。

高血圧の合併症は様々ですが突然死につながる心筋梗塞や脳梗塞も代表的なものとして挙げられます。

このような不幸を避けるためにも高血圧症は予防しましょう。

その第一歩として高血圧症のメカニズムを知りましょう。

高血圧のメカニズム

高血圧症は、長期間に渡って血管の壁に高い圧力がかかっている状態です。

血液は私たちが生きている限り体中を常に循環しています。

心臓がポンプの役割を果たしており、血液に圧力をかけて押し出すことによって循環しています。

この押し出された血液の量とその血液が通る血管の状態によって血圧が決まります。

学生時代に習ったオームの法則に当てはめるとわかりやすくなります。

(ただし、人間は機械ではないので、下記の式だけでは求めることはできません)

オームの法則:電圧 =電流×抵抗

血圧:血圧 =血流×血管抵抗(血管の硬さ)

例えば、血液がより多く押し出され、血管が硬くなっていたり狭くなっていたりする場合に血管に対する血液の圧力が強くなります。

血流×血管抵抗↑=血圧↑

これが血圧の高い状態です。

この状態が続くと血管に傷がつき、ますます血圧が高くなるといった具合です。

そして最終的には心臓病等を引き起こします。

高血圧症の症状

冒頭でも述べましたが、高血圧症の最大の特徴はこれといった症状がないことです。

血圧が明らかに異常であってもまったく自覚がないのです。

ただし、症状が出なくても血管や心臓への負担はかかり続けているので最終的に合併症を発症して初めて高血圧症だったと知ることもあります。

かなり進行して重度になった場合、頭痛、息切れ、鼻血といった症状が現れる場合もありますが非常に稀です。

高血圧症の種類によっても症状の出方に違いがみられます。

高血圧症は本態性高血圧症と二次性高血圧症の2種類に大きく分けられます。

その大部分は本態性高血圧症です。

本態性高血圧症の原因は解明されていませんが、遺伝や生活習慣が関係していると言われています。

本態性高血圧症は長年かけて発症する傾向があります。

一方、二次性高血圧症は他の何らかの病気(腎臓や副腎、甲状腺に関する障害等)が原因であり突然発症します。

これらとは別に妊娠中に高血圧症を発症した場合には、妊娠高血圧症候群と呼ばれます。

いずれにおいても、これらを放置してしまうとさらに血圧は上がる一方で合併症を患ってしまう可能性が高くなります。

例えば、腎臓で血管が弱まれば腎臓障害の症状が出ますし、目の血管が弱まれば最悪失明も考えられます。

また、高血圧症が進むと記憶力や理解力の低下が起こることもあり認知症にもつながります。

高血圧症の予防

高血圧症は症状から気付くことは難しいですが、次の行動を意識することで発症リスクを減らすことが可能です。

  • 血圧を把握する
  • 適切な食事と適度な運動を心がける
  • ストレスを減らす
  • 禁煙する
  • お酒を控える

まずは何より自分の血圧を把握しましょう。

血圧を定期的に測りさえすれば高血圧症は簡単に発見できます。

一般的に年齢が上がるほど高血圧症のリスクが上がると言われていますが、最近では生活習慣の変化から子どもの高血圧症もみられます。

年齢問わず血圧を定期的に測りましょう。

また、家族に高血圧症をもつ方がいればより注意してください。

何よりも数値を知ることが第一段階です。

自身の状態を数値でしっかり把握した上で、健康的な食事を心がけましょう。

高血圧病に限りませんが野菜、フルーツ、穀物類を中心に脂肪が少なく食物繊維の豊富な食材をバランス良くとることが一般的に良いとされています。

特に、高血圧症予防については塩分を控えめにしてカリウムを意識して摂取すると良いでしょう(他の病気を抱えている場合は、カリウムの摂取が症状の悪化につながる場合もあるので必ず医師に相談しましょう)。

カリウムは体内の塩分を排出して血圧を下げる効果があります。

有酸素運動も同時に行いましょう。

その他にも、血圧を上げる原因となるタバコ、飲酒、ストレス、肥満、糖尿病すべて大敵です。

高血圧症の予防に近道はありませんがこれらを継続することで知らぬ間に他の病気にもかかってしまったという事態を避けられます。

出来ることから着実に実行してみてください。

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